Matzのテガミ

15歳がMatzに送ったメールの返信が良かったので引用(続きの中)
Matzと書いて思い出したけどRitsの小学生も結構情報技術を学んでいるみたい
今度聞いてみようかな?・・・今週来るかな?

プログラミングは手段であって目的ではないことに気をつけてください。つまり、プログラミングは(分かる人にとっては)とても楽しい行為ですが、それでも「完成したプログラムで何を実現するか」ということが最も重要なことで、それがなければプログラミングそのものにはたいして意味はなくなってしまいます。自分がどんな分野に興味があるのか、プログラムを作ることによってどんなことがしたいのか、そのことが分かれば能力を伸ばすことができると思います。

 わたしの知っている優秀なプログラマーは、みんな「自分が何を好きで、何がやりたいのか」をはっきり知っています。わたし自身はプログラミング言語にとても興味があり、いつか自分の言語を作ろうと心に思ったのは高校生のころでした。そのような気持ち(熱意)の継続により、大学に入り、就職し、 Rubyを作り、世間から「優秀なプログラマー」と見なされるようになったわけです。自分から見れば、実際に優秀かどうかはやや疑問符がつきますが。いずれにしても、プログラミング言語を作りたいと思ってから実際にRubyを作るまでには10年以上かかっていますから、その間「作りたい」という気持ちを維持できたことが成功の1つの原因ではないかと思います。

 自分が何に興味があるのかある程度認識できたら、その分野を中心にほかの人の書いたプログラムを読むのが良いのではないかと思います。書籍に載っているサンプルプログラムや、オープンソースソフトウェアのソースコードなど読むことのできるプログラムはたくさんあります。ただ、漠然と読むのは難しいですし、興味を維持することができませんから、知りたいことを調べるために読むという目的意識が必要でしょう。

第15回 後輩からの手紙 (2/2) - ITmedia エンタープライズ